映画『Peace』『大鹿村騒動記』

『Peace』(10年、相田和弘) 泥棒猫のまなざし。あくまで遠くから眺めていた彼が、いかにしてほかの猫たちの中に入り込んだのか。いつ猫たちはこの泥棒猫の侵入を許すようになったのか。そのきっかけを思い出せない。しかし確かに状況は変わったのである。毎日奥さんに嫌がれながらもノラ猫たちにエサをやり続ける監督・相田の義父でさえも、その変化のきっかけは分からないようだ。義父は、高齢者や障害者を病院など…

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映画『エッセンシャル・キリング』/純粋なアクション映画

これは分かりやすい映画だ。 アフガニスタンの砂漠地帯(実際はイスラエルで撮影されたようだが)で映画は始まる。洞窟の中に身を潜めたイスラムの兵士ムハンマド(ヴィンセント・ギャロ)は、近づいてきたアメリカ兵らをロケット・ランチャーで殺害する。しかし、アメリカ軍に捕まり、ポーランドあたりの秘密収容所に移送される。その途中で脱走した彼は、自分の生まれ育った環境とは180度違う、雪が吹きすさぶ東欧の…

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映画『スカイライン -征服-』/時間は有効に使おう

またこんなの観てるし……。 完全に『スーパーエイト』を引きずってる。 でも、スピルバーグ世代はしょうがない。 けどハリウッドってスゴいや。世界最高水準の機材やら優秀なスタッフやら最高峰のVFX技術やらを駆使し、お金を湯水のごとく注ぎ込み、そこに小学生が授業中にジャポニカ学習帳の余白にでも書いたようなシナリオをあてがうことで、奇跡が!……起こるはずもなく(当たり前だ)、予想通りの“時…

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最近観た映画

の雑なメモ。 『トゥルー・グリット』(10年、ジョエル&イーサン・コーエン) そもそも、オリジナルのジョン・ウェイン版を観ていない(というか、観るまでコレをリメイクだとすら知らなかった)ので、なんとも言えないけど、ここまでカッチリとクラシックな画面を撮れるのも今やコーエン兄弟以外にあまりいないのでは。カメラをどんッと固定して据える足腰がジョエルかイーサンにはあるのは事実。しかも父親を殺さ…

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夏だ。

いつの間にか7月になっていた。 最近観たライヴ。 といってもロクに観れてない。ていうかブログ書くの久しぶりだ……。 ちょっと前になるが、5月末、初めて高円寺にある老舗ライヴハウス「JIROKICHI」に行った。 あのチャック・レイニーが出るという話を聞いたので、まあ、言ってみればビッグネームにつられて足を運んだというわけですネ、ハイ。でも個人的には、さらにドラムにあの青山純さ…

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春だ。

いつの間にか4月になっていた。 ようやく少しは春らしく、暖かくなってきたのかな。 春は季節柄やたらと世間がざわざわするからあまり好きではないが、こういう状況だと、暖かいというだけでもありがたいし、何より気分がよい。暖かくて困るひとはいないだろうし、このことは素直に喜びたい。 まあもともと好きじゃないからどうでもいいけど、「花見するな」とか言われれば、腹も立つひともいるでしょう。なに…

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映画『ヒア アフター』/やはり彼は死んでいた……

(以下ネタバレあります) 前作『インビクタス/負けざる者たち』(09年)を観ている時、監督であるイーストウッドは撮影現場にいたのだろうか?と妙な気分に襲われた。どこを切ってもまちがいなくイーストウッド映画に違いないのだけど、川に水が流れているのと同じくらい当たり前の自然さで画面と音と物語が流れていくようで、不気味だった。とても「映画作家」なんてものが存在しているとは思えない、そんなもの最初…

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最近観た映画の感想

a 『ソーシャル・ネットワーク』(10年、デヴィッド・フィンチャー) b 『デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断』(10年、トッド・フィリップス) c 『冷たい熱帯魚』(10年、園子温) aはようやく映画が始まったかと思ったら、終わってしまった。2時間かけた長い長い前ふりのみの映画で拍子抜けした。ラスト、自分が作ったフェイスブックのモニター画面(の中の人…

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最近のライヴなど。

いやはや、更新怠け癖、ここに極まれり。 とりあえず、ここ最近のライヴなどを。 1月はやはり、R&B界を代表する“ふたりの激女”によるライヴが印象に残った。 まずはメアリー・J・ブライジ(1月19日)。場所はJCBホール。実はこのホール、初めて行ったのだが、3000人以上入るホールにしては、構造上、どの席からでもあまりステージとの距離が出来ないようになっていて、面白い。客層もクラブ系…

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ダズ・バンド Live @Cotton Club

※以前、このろくでもないブログを見てくれている酔狂な知人から、「なんかどっかのオヤジが書いているみたいだな」との感想。 今までまるで気にしていなかったけど、よくよく自分が書いたものを読み返してみると、確かに、なんだかカタいし、ていうか改めて読むと、疲れる文章だなあ、こりゃ……。 というわけで、読みやすい「柔らかめ」の文体を目指すべく、実験的に「です」「ます」調でいってみたいと思いますです…

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アロー・ブラック Live @Billboard Live TOKYO

昨年、いまノリにのるストーンズ・スロウからアーシーでコンシャスなソウル作をリリースし、話題を集めていたアロー・ブラックの来日ライヴ。 1dayライヴということもあるが、平日にも関わらずしっかりとカジュアル席までお客さんが入っていて、その人気はホンモノ。しかも客層が若い。その昨年出した『Good Thinds』(10年)はわりとマニア受けするような作品というイメージだったけど、客層からはそれ…

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初笑い

昨日は池袋演芸場に行ってきた。 久しぶりの落語鑑賞。寄席なんていつ以来だ。まあ、元々そんなに観に行くほうではないけど。 昼の部。平日の昼間から我ながらヒマぶっこいているな、と苦笑しつつ入ったらほとんど満席。同類多数。 まあ、それもそのはず、トリは柳家小三治師匠。やはりすごい人気である。 そういえば、ちょうど一年前(2010年1/11)観た寄席(そのときは新宿末広亭)でトリを張って…

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bmrリニューアル号発売!

ブラック・ミュージック専門誌『bmr(ブラック・ミュージック・リヴュー)』の新装号が発売中。 長年本誌の名物編集者であった自称「痴の巨人」こと丸屋九兵衛氏による主導のもと、bmrが生まれ変わった。若かりしマイケルがバスケに興じるモノクロの表紙からして、なにやら今までと雰囲気が違う。 内容もガラリと。とはいえ、マニアックな記事/情報が満載な点は従来通り。が、情報社会でガチガチに…

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映画『アンストッパブル』/怪物モノを期待したが……。

また電車か! トニー・スコットの新作は前作の地下鉄に引き続き、またもや電車モノ。今度は地上で列車チェイス。 トニー・スコット作品は公開されれば大抵劇場に駆けつけてしまうのだけど、いったい何がいいのか、自分でも今ひとつわからない。このひとの映画の表面的な特徴でもある細切れのカット割りやカメラの揺らし、望遠の多用は画面の奥行きを殺していて、本来映画のよさと反するものなんだけど、な…

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アル・マッケイ・オールスターズ Live @Billboard Live TOKYO

「本家よりアースらしい」 というのが今やソウル・ファンの口ぐせになっている、かどうか知らないが、少なくとも自分の周りのソウル好き(しかもかなりのアース通)からはよく聞くセリフである。彼らは、とあるバンドのライヴを観て、口を揃えてそう言うのである。 そのバンドとは、アース・ウィンド&ファイアの黄金期を支えた名物ギタリスト、アル・マッケイ(80年のアルバム『Faces』まで参加)が率いる…

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訃報 ティーナ・マリー

R&Bシンガーのティーナ・マリーが亡くなった。 アメリカ時間での26日に、自宅で亡くなっているのを娘によって発見されたそう。死因はまだよくわかっていないらしいけど。享年54歳。 CNN.com http://edition.cnn.com/2010/SHOWBIZ/Music/12/26/teena.marie.dead/index.html ↓ギャンブル&ハフも追悼のコメントを寄…

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スタイリスティックス Live @Billboard Live TOKYO

飲み屋じゃないよ! 毎年クリスマス時期になるとやって来るスタイリスティックス。実は彼らのライヴを観るのは今回が初めて。 そもそもフィリー・ソウルのアーティストのライヴ自体、昨年のエディ・リヴァートを除けば、ほとんど観たことがなかったかもしれない。フィリーは大好きなのだけど、当然のことながらクラブサイズのバンドであのゴージャスな世界観は到底再現できないわけで、だったらフィリーはライヴで聴い…

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ロバート・グラスパー・エクスペリメント・ウィズ・ストークリー Live @Cotton Club

寒い日のインディアンカレー。 今日もだが、昨日の寒さは反則技であった。しかし猫はスゴいな。いや別に猫じゃなくとも、ほかの動物でもよいのだけれど、中に着込めるだけ着込んで&マフラーという完全無敵なかっこうで通りを歩いていた自分を、じっと見つめる猫がいた。「フッ」とそいつに鼻で笑われた(気がした)。春も夏も秋も冬もよくおんなじかっこう(当たり前)でいられるよな、ほんと。でも人間も、もっと体温調…

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ついに始めてしまった。

ええ、もう「つぶやいて」ますとも。 とぅいった。最近まで、あんなんなにが面白いんだろうなあ、とか友人と飲みながらつぶやいていたけど、ハイ、始めてみましたら、おもしれ~! もうヤミツキなわけである。単純なやつだ。 「~なう」と最初につぶやいた高校生がベンチャー・マンとして注目されたりと、世の中もうわかりません。「つぶやき」といったらボキャブラの芸人を思い出しちゃう私は、自分をまだまだ若…

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映画『エクスペンダブルズ』/映画人情くすぐるスタローン

最近は、雑誌やテレビを見てても、やたらとメガ盛り○○丼だとか背油ぎっとりの特濃ラーメンだとか、ボリュームと油と安さを売りにした食べ物がよく目に飛び込んでくるが、これだけ生活習慣病が取りざたされる昨今なのに、皆こりないな、と思う。自分のような食の細い人間には、目にするだけで胃がもたれてくる……。 スタローンの『エクスペンダブルズ』(10年)はまさしくそんな映画で、ふた口目まではなんとかいける…

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