活劇とグルーヴの日記

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zoom RSS 映画『人生の特等席』/俺のカーブ球を受けてくれ

<<   作成日時 : 2012/12/15 13:12   >>

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全編にわたって陽光が降り注いでいる映画である。アメリカの田舎にも、墓地にも、グラウンドにも。

イーストウッドが腰を落ち着けるお馴染みのダイナーやバー、モーテルの中にも暗闇はない。彼がいるにもかかわらず、これほど晴れわたった世界は珍しい。それもそのはず、これは、初メガホンをとったロバート・ローレンツの世界なのだ。だいたいあの老人に、こんなに眩しい世界は撮れっこないではないか。彼が好きなのは暗闇だ。
この映画の中で、ひときわ眩しいのは、エイミー・アダムス扮する娘である。その親父(イーストウッド)は、相変わらず過去にとらわれ、娘の眩しさを直視することができずにいる。視力が低下しているなんてのは、ただの言い訳にすぎない。ああ、俺は暗闇が恋しい……と隙を見ては暗闇に逃げようとする彼を、光を撮ることに徹したトム・スターンも今回、容赦はしなかった。彼には逃げ道は残されてないはずである。がしかし、どれほど光が万遍なく差し込もうと、どこかに暗闇は存在する。現に、親父の遠い記憶の中には今も真っ黒な闇が口を開けており、おそらく、その暗闇の向こうには『ミリオンダラー・ベイビー』の世界が広がっている。そして親父は“そちら側”へ吸い寄せられる自分に抗うことができないでいるのだ。まったく、いい歳こいてどうして暗闇ばかり欲しがるのか。
結局、親父を救ったのは娘である。光ばかり見ていても、暗闇は見えない。だから娘は目をつむってカーブ球の音を聴いたのだ。その音は、ひとり暗闇でもがく親父の声である。
親父は何もしなかった。ただ娘に救われただけである。これは娘が親父を受け入れる話なのである。
(12/14、ワーナー・マイカル・シネマズ市川妙典)







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